【看護実習】実習指導が怖かった私が、気づいた大切な視点

「病院実習に行きたくないな」

このように思う学生さん多いのではないでしょうか。私も学生時代、毎日のように実習に行きたくないと思っていました。

なぜこんなにも多くの学生さんが病院での実習に対して恐怖心、苦手意識があるのか。それは”実習指導者が怖い”と感じることが関係していると思います。

報告をすれば、「それで?根拠は?」と突っ込まれ、連絡・相談をすれば「後にして」、後から相談すると「なんでもっと早く相談しないの?自分で判断できるの?」と言われる。

どうしていいのかわからなくなりますよね。

そんな指導者さんに対して恐怖心を持ってしまうのは仕方ないと思います。そうなると委縮してしまい学生さんが本来の力を発揮できなくなってしまいますよね。

今回の記事では、指導者さんが怖いと感じたときに実践してほしい気持ちの持ち方、考え方をお話していきたいと思います。明日から指導者さんに対する見方が変わると思いますよ!

目次

看護実習で「指導が怖い」と感じるときのよくある場面

挨拶をしてくれない

病棟に入り最初の挨拶をするが誰も返事をしてくれない。

朝からいきなり心を砕かれますよね。ですが、看護師さんたちはその時間、きっと朝の情報収集に追われています。ほんの十数分の間に10人以上の情報を収取しないといけない日もあります。集中していて声が聞き取れないのかもしれない、作業の途中で目が離せないのかもしれない、そんなこともあるかもしれないな、と想像してみてください。

看護師さんの朝は本当に戦場のようです。無視された、と落ち込む必要はないですよ。

報告内容に対し指摘が入る

バイタルサインを測定したり、患者さんの状態観察をした、ケアを実施した後は、指導者さんへ報告を行いますよね。自分なりに報告をして、「以上で報告を終わります」と言うも、指導者さんから「それだけ?」「他には?」と突っ込みが入る。自分としてはすべて報告したうえで、以上です、と言っているのだから、それ以上何もないよ。という気持ちですよね。

他にも、「根拠は?」「患者さんの表情は?」「ケアの時の導線どうだった?」「患者さんのポジショニングは適切だった?」と場面場面でたくさん聞かれることも、指導者からすると指導なのかもしれませんが、学生さんからすると尋問のように感じ、責められているように思いますね。

ミスを責められる

患者さんに看護ケアを実施した後の報告で、「事前に計画立ててた?」「必要な物品は足りてた?」「時間かかりすぎていない?」「患者さんの負担は考えないの?」などなど、考えきれないほどの指摘が・・・。

自分なりに計画を立てて、緊張しながらも患者さんに実施して、終わった~と思ったら指導の嵐。私はこの報告の瞬間が一番嫌でした(笑)

指導者さんからすると、責めているつもりはないのかもしれませんが、ここまで言われてしまうと、「看護師向いてないのかな」「もうやめたい」と考えてしまうのも無理ないですね。

怖い指導にどう対応すればいい?

とにかくメモを取る

どうしても”怖い”という思いから、指導されている内容が入ってこないことがあります。後から援助内容を振り返ったり、レポートを作成する際にも思い出せないと困るので、とにかくメモを取りましょう。

メモを取りながら話を聞く学生さんは、指導する側からしてもとても好印象です。意欲があるな、自分が指導している内容を理解しようとしてくれているな、と感じます。

自分自身も看護援助がうまくできなくて落ち込んでいたり、指導内容が責められていると感じて恐怖心があったりするかもしれません。でもそこでなんとか”メモを取りながら指導者さんの話を聞く”ということを意識してみてください。

だんだんと、怖いという恐怖心よりも内容を聞き取らないと、という意識に変わって恐怖心が軽減することもありますよ。

指導の「意図」を考えてみよう

そのときはただ「怖い」としか思えなかった指導も、あとになって振り返ると気づくことがあります。

・「なぜ?」「何のために?」「どうして?」と根拠を求めてくる⇒エビデンスに基づいた安全性の高い看護の提供や適切な看護が選択するため
・看護援助の際に手順を厳しく言われる⇒安全性や感染対策を徹底するため
・援助に対する”患者さんの反応”はどうだったかよく聞かれる⇒患者さんのニーズを満たせているか、最小限の負担に抑えられているかを重視している

指摘されたことを改善するとともに、「なぜこの指導者さんはここを指摘したんだろう」と背景にある意図まで考えてみてください。

看護援助の手順が違うことを指摘されたのは、手順通りに実施することが目的ではありません。その手順で実施することで、患者さんに安全な看護が提供できたり、感染対策に必要な順番だったりします。

指導者さんの指導の意図まで考えられると、あなたの看護の幅がぐっと広がりますよ。そして次の看護に活かすことができたら指導者さんも「そうそう、そういうことなのよ!」と言ってもらえることもあるかもしれないですね。

勇気を出して質問してみる

指導者さんが怖いのは、学生さんにはどうすることもできません。怖くて委縮してしまう気持ちも本当によくわかります。でも勇気を出して、わからないことがあれば質問してみてほしいです。

質問をしてくれる学生さんは、やる気があるな、積極的だな、と好印象に感じます。

ですが注意してほしい点は、何でもかんでも質問すればいいわけではありません。

わからないことを、自分なりに考えたり、調べたりします。そして自分なりでいいので、仮説を立てます。そのうえで指導者さんに、
「指導いただいた○○に関して、調べて△△と理解したのですが、□□がわかりませんでした。」と具体的に質問することが重要です。

くれぐれも「○○ってどういうことですか?」と聞くのはやめておきましょうね。

気持ちを立て直すための工夫

クラスメイトと話す

厳しい指導を受けた日の帰り道は、どうしても落ち込みますよね。
私自身は、クラスメイトに「今日こんなこと指導されたよ・・・」と話して、落ち込んだ気持ちを吐き出していました。

そのクラスメイトも同じように悩んでいることも多いので、共感したり、励まし合ったりすることで、乗り超えることができました。

小さな”できた”を探す

患者さんに「ありがとう」と言ってもらえたこと、実習中にうまくできたことをノートに書き残し、自分を励ますのがおすすめ。

私は、実習期間中、その日の自分だけの小さな目標を立てていました。
例えば、
・カンファレンスで司会者に振られる前に自分から発言する
・指導者さんに1つ質問してみる
・今日は金曜日だから自分にご褒美スイーツを買って帰る(笑)
自分だけの目標なので、何でもいいんです。達成出来たら少し自分のテンションが上がる目標を一つ立ててみるとモチベーションの維持になりますよ。

指導者さんにも機嫌があると割り切る

指導者も人間なので、ついきつい態度になることもあります。体調ががわかったり、多重課題だったり、何か事情があるのかもしれません。

「今忙しいのかな」「お腹すいてるのかな」「家庭でうまくいっていないのかな」と少し引いた目線で現実を見てみてください。自分が第三者になった気持ちで。
(もちろん、指導を受けている最中に「あ~機嫌悪そうだな、お腹すいてるのかな」なんて考えていてはだめですよ!笑)

怖い指導をプラスに変える視点

実習中の厳しい言葉は、当時はつらくても、今の自分の看護の視野を広げる土台になることがたくさんあります。

・根拠を意識し、安全安楽な看護、適切な看護を選択することの大切さを学んだ
・患者さんの反応をよく観察し、患者さんのニーズをくみ取れるようになった
・自分自身が看護師になった際、学生さんにどう接するか考える機会になった

「怖い経験」だけで終わらせてしまうのではなく、自分にプラスになるように視点を変えてみることで成長に繋がりますよ。

まとめ:怖さを乗り越えた先に成長がある

看護師さんは何となく威圧的で、そもそも存在自体なんか怖い。そのうえあれもこれも、それもとたくさんの指導・指摘を受けると”怖い”と感じ、委縮してしまうのも当然です。

ですがその中で、指導者さんの指導の意図を考える習慣をつけてみてください。メモを取ること、後から振り返ること、こうして悩んだ経験は、あなたが素敵な看護師に成長する糧になるはずです🌸

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