看護実習が始まると、多くの学生さんが悩むのが”患者さんとのコミュニケーション”
緊張して何を話せばいいかわからなかったり、沈黙が続いて焦ってしまったり…。
でも大丈夫、同じように感じている学生さんはとても多いんです。
この記事では、患者さんとの会話に困ったときに試せる工夫を紹介していきます!
沈黙が続いてしまうとき
実習中、患者さんとの会話で沈黙が続いてしまうことはよくあります。そんなときは無理に話そうとせず、うなずきやあいづちで寄り添うだけでも十分です。天気や季節の話など、誰でも答えやすい話題から入るとスムーズですし、特に高齢の方であれば昔のお話を聞いてみると自然に心を開いてくれることもあります。
また、事前にネタ帳を用意しておくのもおすすめ。患者さんの病室に伺う前に、カルテから情報収集しますよね。そこから会話に繋がりそうな情報を探しておきます。例えば、職業、家族構成、趣味・生活習慣などです。自分が聞き出したい情報と、会話に繋がりそうな情報を整理してメモしておくことがおすすめです。(メモは準備であって、メモを見ながら話さないようにしてくださいね!患者さんによっては尋問のように感じてしまう場合もあります)
いきなり疾患について聞かれたとき
「検査は何時からあるの」「この薬は何の薬?」「私の病気は治るのかな・・・」
など、疾患や治療に関する質問を患者さんからされる場合もあるかもしれません。
いきなり疾患について質問されたときに構えてしまうのも当然のことです。学生の立場で完璧に答えられなくても大丈夫。「看護師さんに確認してみますね」と正直に伝える方が、無理に知ったかぶりをするよりも信頼につながります。
また、学生さんが答えられるない内容(例:薬剤の効果など)であってもその場ですぐに答えることはおすすめしません。学生さんの判断で答えてしまい、患者さんが誤った認識をされた場合、責任の所在が不明瞭になります。この場合も、担当看護師や実習指導者に相談し、患者さんにお返事するようにしましょう。
患者さんが話したくなさそうなとき
患者さんが話したくなさそうな場合は、無理に病室に居続ける必要はありません。
痛みや倦怠感等の苦痛を抱えながら入院生活を送られている患者さんも多いです。そんな中で学生さんがコミュニケーションのためにとずっと部屋にいては患者さんが疲れてしまうことは想像できますね。
また、患者さんと関わる際に「あなたの話を聞いて、一緒によりよい方法を考えたい」という姿勢でいることが大切です。患者さんにとっても話すメリットがなければ、「なぜ話さないといけないのか」と思ってしまいます。
もし、年齢の若い患者さんや、あまり長く話すのが好きでなさそうな方には、前もって「今からいくつかお話を伺ってもいいですか?」と伝えておくと、尋問のような印象にならず安心して答えてもらいやすくなります。
耳が遠い・認知症がある場合
耳が遠かったり認知症がある患者さんには、短く、ゆっくり、はっきりと話すことが大切です。笑顔で接し、身振り手振りも使うと、会話が自然にスムーズになります。
また、事実と謝った内容を話されることもあるます。朝ごはんを食べたのに「朝ごはんはまだか?」や、治療のために入院しているのに「こんなところに閉じ込められている」など。
事実とは異なっていても、否定しないことが大切です。患者さんが実際に感じていることだからです。
想像を膨らませて「お腹がすいているのかもしれない」「さみしさを感じているのかな」と考えることで、必要な看護が見えてくる場合もあります。
拒否的な態度をとられたとき
「学生さん、今は来ないでもらえるかな・・・」
患者さんから否定的な態度をとられた。辛い経験ですよね。ですが実習中よくあることなんです。
患者さんは日常とは異なる生活環境、疾患や治療による苦痛・不安、様々なストレスを抱えながら入院をされています。その中で学生さんのためにと実習生を受け入れていただいていることを忘れてはいけません。
拒否的な態度をとられた場合も、個人的に嫌われているわけではありません。「今はタイミングじゃない」と考えて深追いせず、別の場面で関わると意外と普通に会話できることもあります。
言葉以外のコミュニケーションも大切
言葉だけがコミュニケーションの全てではありません。表情や仕草、ベッド周囲の環境から患者さんの思いを感じ取ることもできますし、ご家族から聞くことで新しい情報が得られることもあります。言葉以外の方法も含めて、患者さんの気持ちを理解しようとする姿勢が大切です。
まとめ
看護実習で患者さんとの会話がうまくいかないのは、誰もが経験することです。
沈黙になったり、拒否されてしまったりしても、「自分がダメなんだ」と落ち込まなくて大丈夫。
大切なのは「患者さんの気持ちを知りたい」「一緒によりよい方法を考えたい」という姿勢。
その姿勢は必ず患者さんに伝わり、円滑なコミュニケーションにもつながります。
少しずつ経験を重ねることで、自然と会話もスムーズになります。
「うまくできないのは自分だけじゃない」と思って、安心して実習に臨んでくださいね☺️
こんな風に話していますが、実は私自身も学生の頃、実習でコミュニケーションにつまずいた経験があります。
次の記事ではその体験談をお話しするので、よかったら読んでみてくださいね!
👉【看護実習体験談】声が出せない患者さんとの関わりで学んだこと
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